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平坂読『ラノベ部』(MF文庫J/全3巻)感想2015-11-24(Tue)

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■あらすじ
 物部文香(もののべ ふみか)は国語の苦手な女の子。
 「生徒は全員が何らかの部活に入ること」という校則に従い、「国語を教えてもらえるのでは」という下心と「軽」の字の気安さから軽小説部に入部。
 軽小説部――「ラノベ部」はライトノベルを愛好する者たちの集まりで、文香はそこで出会う仲間たちに進められ今まで知らなかったライトノベルに触れることになるのだった。


 いわゆる『日常系』って一大ジャンルのように思えて、漫画とは違いライトノベルではかなりの少数派らしいですね(他に『GJ部』『生徒会の一存』などもそうらしいですがそちらは未読)。

 ラノベ部はいわゆる文芸サークルで、リレー小説を書くエピソードなどはあるものの、創作が主題ではなく一人を除いて基本的には読み専。あくまで読む側の視点でライトノベルが語られます。
 主人公の文香が「きめた! わたし物語を書く」となることもありません。ラブコメ的な要素もありますがラブコメかというとそうでもなく。

 萌え四コマなどがそうであるように、こういうのを「なにが面白いんだかわからない」と言う人はいるし、実際めちゃくちゃ面白いとは言わないんですが、気軽に読めてくすくす笑える、「ライトノベル」の一つの理想像ではとも思います。
 まあ、少数派ということは求める人は少ないのかもですが。

 この小説の美点として挙げられるのは、とても優しい作品というところだと思います。漫画で言うと『よつばと!』なんかの優しい世界に心惹かれるように、この作品もとても優しい。温かい。
 総勢8名、男女共に個性豊かなメンバーがわちゃわちゃしていてそれぞれ毒気もある面子ではあるものの、誰かをわざと傷つけるような悪意がありません。
 互いが互いを思いやっていて、その優しい日常を大切にしていることがはっきりと描かれています。

『わたし、ドロドロした三角関係とかは、お話の中だけでいいと思うんです。好きな人を取り合って友達同士がぎすぎすするお話って、とってもはらはらして面白いんですけど、自分がそんなお話の主人公になりたいとは思わないです。友達とぎすぎすしたくないです。したくないことは、しません。もちろん現実にはそれは難しいかもしれないですけど、それでも、大事な友達とは友達でいられるように努力します』
(3巻P189~190より引用)


 主人公・物部文香から親友への言葉。

 自分はフィクションでも「ドロドロした三角関係とか」が大の苦手なんですが(キャラが死ぬとかより全然キツい)、それはそれとして、好きな人への思いと同時に友達を大事にする気持ちが描かれるのが本当に見ていて幸せな気持ちになる。
 本人が述べているように「はらはらして面白い」というのはフィクションではもちろん大事な要素でしょうが、それと同じくらいこういう、単純な優しさが描かれることでの充足感というのもエンタメとして価値あるものだと思います。自分のような人間にとっては、前者を犠牲にしてもいいくらいに(もちろんそこまでの流れとか作品のカラーもあった上でですが)。

 こうした、優しい世界を描くフィクションについては劇中でも触れられています。ラノベ部部長・竹田龍太郎の台詞。

『きっと「けいおん!」とか「らき☆すた」の世界だって、描かれてないだけで理不尽なこととかあるだろうし、事故も病気もいじめも戦争もあるし、イヤな教師や同級生もいるんだよ。みんなどっかで我慢してるはずなんだ』

『誰かがキレて刃物振り回すだけで砕け散るような脆い日常を維持するための努力や我慢のことを、きっと「優しさ」と呼ぶんだと俺は思うよ。俺は優しい世界よりも、優しくない世界でそれでも優しくあろうとする人間の方が尊いと思う』
(3巻P202より引用)

 
 前者みたいなことは自分も考えたことあるんですけど、そこから後者の「優しくあろうと努力している人間」論に着地するのが、とても素敵だなと感じました。
 台詞としてはだいぶ臭いですけど、でもすごくいいこと言ってる。

 個人的に好きなキャラクターは主人公の物部文香でしょうか。独特な感性の現れた受け答えがくせになります。

 『涼宮ハルヒ』シリーズをはじめライトノベル作品がいくつか児童書のレーベルから出版されていますが、この『ラノベ部』もそうして中高生よりもっと幼い子どもたちに読まれていい作品だと思うんですよね。
 後の平坂読作品に比べれば下ネタもだいぶ控えめですし、メディアファクトリーからどうでしょう?(まあ、実際のところはオタクネタ(それも2008年当時の)バリバリなので受けるのかは相当怪しいと思いますが)


 ちなみに。

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 現在3巻まで刊行中の『妹さえいればいい』にもこの「優しい人間たち」を描こうとするところがたしかに感じられて、読んでいて好感度高いです。
 こっちは主題がはっきりと「ライトノベルを書くこと」に置かれ、恋愛モノの要素も強いですが、才能ある者への羨望や挫折、恋愛絡みでの嫉妬やコンプレックスなど描かれていながら、登場人物はみんなちゃんと友達思い。
 オタクネタはバリバリだし、下ネタは『はがない』以上にひどいので『ラノベ部』に比べても人は選ぶのではと思いますが、オススメです。


 
 
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